住民達と
セインスは集めた住民に、状況を説明したのだが、
「お前達がやったんだろう! 異教徒め!」
「やはり悪魔の国だ」
「女子供まで殺すなんて酷すぎる」
などと、セインス達がやったんだと言い出す。
「お前達は、この胃袋がはみ出したギガラットを見ても、俺たちがやったと言うのか?」
と、セインスはギガラットの胃袋を切り裂いた。
溢れでる人の内臓。
一部は消化されて溶けているが、明らかにネズミなどの齧歯類が齧った歯形のある、肝臓などが、こぼれ出てきた。
「うっ」
と、言葉を詰まらせる男達。
走り去って物陰で吐いている者までいる。
「このネズミの脳から、お前達が崇める神の木像が出てきた。いい加減気がつけよ! 神が他の種族を家畜にしろとか、言うと思うか!」
と、セインスが説明し、理解させようとしたのだが、
「我らが神の像が出てきたという証拠でもあるのか!」
と、年配の男が反論してくる。
「ネズミの脳みそ塗れの像ならあるぞ。破壊したがな」
と、叩き割った像を見せる。
「貴様っ! 我らの神像を破壊しただとっ!」
と、像を壊した事に怒り出す男。
「はぁ、もういいや。とりあえず墓地に穴掘れよ。埋葬してやりたいから」
と、面倒に思ったセインスは、墓穴を掘る事だけに話をもっていくが、
「貴様らが殺した癖に!」
と男は聞く耳をもたない。
「俺らが殺してたら、あの神父のように燃やして灰にしてるわいっ! なんなら一塊りにあつめて、燃やしてもいいんだぞ! それでもいいならこの場から立ち去れ!」
と、セインスが怒鳴る。
聖人教は、土葬文化である。
遺体を燃やされるのは、墓を持つことが許されない罪人だけである。
セインスは聖人教の神父達を、聖人教の罪人の葬り方で処分したのだ。
「異教徒の言うことなんか、信用できん!」
と、年配の男は怒りながらその場を去っていく。
それに続くように、年配の者達もその場を立ち去りだしたのだが、
「私達は堀ります。弔ってやりたい……」
と、年齢の若め、まあ30〜40代の者達たちが、セインス達に申し出る。
「多少なりとも、話が通じる人がいて良かったよ。我らも手伝うから、埋葬してやろう」
そう言って、セインスは兵士を呼びに行かせて、共同墓地で穴を掘り、住民を埋葬するのを手伝うのだった。
その後、リーガスタ中将の下に戻って、
「教会のほう、終了いたしましたが、少しお話ししておきたい事が……」
と、ギガラットの件を報告したセインスだが、
「分かった。いや、よく分からんが、そういう事があったのは分かった。だが、どうすれば良いのかは分からん」
と、リーガスタ中将に言われたセインス。
「ですよね」
と、セインスも答えるしかなかった。
「とりあえず陛下に報告の書を送るとして、セインスはこっち手伝え。ここの領主、なかなか粘り強くてな」
と、リーガスタ中将がセインスに命じる。
「どのように?」
と、聞き返すセインスに、
「籠城して出てこないのだ」
と面倒そうにリーガスタ中将が、ため息混じり答えた。
「ああ、時間かかるやつですね」
と、セインスが言いながら、思案顔になる。
「籠城を崩すのは、なかなか大変だからな」
と、リーガスタ中将も憂鬱そうに言う。
「うーん、鳥の獣人が国軍にも、何人かいましたよね?」
と尋ねたセインス。
「確かにいるが? 何をさせるのだ?」
と、問いかけられたセインスは、
「嫌がらせしてやりましょう」
と、少し笑って言うのだった。




