表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/100

遊撃隊


 ノードス伯爵の屋敷を出たセインスは、


「アレン、到着してすぐになんだが、出撃準備だ!」

 と、アレンに向かって叫ぶ。


「了解であります、クローム大佐!」

 と、アレンが敬礼した。


 そう、セインスは大佐なのだ。成人前の少年なのに。


「向かうはタリマン渓谷だ!」

 と、これから向かう戦場を指示するセインス。


 道中、普通の馬の倍ほどの大きさの、凶悪な顔をした黒い馬の上に乗っているセインスが、


「戻ってきてすぐに向かうのが、タリマン渓谷とはな」

 と、小さな声で呟いた。

 

 タリマン渓谷、そこはセインスがパイドの剣を避けて落ちた渓谷である。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 タリマン渓谷から侵入したウェインライド国軍は、レイリス国の兵士を背後から奇襲できた事により、有利に戦闘を繰り広げていた。


 「黒鷲部隊が敗北した戦地というから、気合い入れて来たのに、どうって事ねぇな」

 と、大きな体を、金属の鎧に包んだ男が言う。

 この部隊の指揮官である。


「駐留している隊が変わったのか、黒鷲部隊がヘマをしたのか、どちらかでしょうな」

 と、副官らしき男が言うと、


「ヘマしたんだろ。アイツ、ちょっと連勝が続いてたからって、調子に乗ってやがったからな。死んで清々したぜ」

 と、指揮官が口元を緩ませて言った。


「渓谷を下った作戦も、大成功でしたな」


「戦ってのは、ここでやるんだよ」

 と、頭を指さして、指揮官が言う。


「ですね。流石です」

 と、指揮官にゴマを擦る副官。


「お前も俺についてりゃ、出世させてやるから、ちゃんと働けよ」

 と、指揮官が言うと、


「もう、死ぬまでついて行きます閣下!」

 と、腰巾着の定番のセリフを、口から吐いた副官。


「ワハハ」

 と、優越感に浸る指揮官。

 その時、


「新たな敵兵を発見しました!」

 と、兵士が駆け寄ってきて言う。


「どこだ?」

 と、尋ねた指揮官に、


「あちらです」

 と、指さした兵士。


「目測で1000人くらいか。応援としてはかなりの数だが、こちらは既にこの一帯を制圧してるんだ。今更来たところで、返り討ちにしてやるわ! 神の教えに反して、エルフやドワーフ、獣混じりと仲良く暮らすこんな国、滅ぼしてやる! 敵が射程距離に入ったら、弓兵による一斉射だ!」

 と、指揮官が命令した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「敵が横に展開しました!」

 と、セインスに報告がもたらされる。


「ゆっくり進軍だ。まだ距離があるから向こうも撃ってこないだろう」

 と、セインスが指示する。


「こちらも撃てませんけどね。大佐以外は」

 と、隣で馬を歩かせながら、アレンが言った。


「指揮官っぽいのを探すから、弓の用意を頼む」

 と、セインスがアレンに言うと、


「どちらを?」

 と、問われたセインスは、


「まだ接敵していないから、器械式でいく」

 と、答えたセインス。


「了解です」

 と、馬を止めて、後ろからくる馬車を待ったアレン。


「さて、わかりやすい格好をしてくれていると、助かるのだがな」

 そう言って、セインスは、眼鏡の右側のレンズを上に跳ね上げ、左眼をつぶり、右眼で敵の様子を見ていくと、


「おそらくアイツだな。豪華な金属鎧を着込んで、ドスドス歩いてる筋肉の塊がいる」

 と言って、セインスはニヤリと笑う。


「大佐、弓を」

 と、アレンが持ってきた弓は、他の兵士が持っている弓とは、形が全く違う。


 弓のアームは複雑な構造をしており、アームの端に、滑車が取り付けられていて、そこを通るケーブルとテコの原理を利用した見たこともないような、変わった弓だった。




 読者の方は、コンパウンドボウで、ググって頂けると形が分かると思います。

 それによく似た弓だと思ってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 敵指揮官 哀れ… 多分、狙撃されて死亡だな
[良い点] また、えげつない武器を・・・ 遊牧民かな? セインス君は何処まで成長するのでしょう?(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ