告白
「ヴェガよ、私から話そう。センス、いやあえてセインスと呼ぶ。セインスよ、訂正が有れば言ってくれ。私の調べによれば……」
と、調べた事を話し出した、ロローシュ少将。
「なんと! 味方の攻撃で、トドメをさされたのか?」
と、聞いた内容に、驚きの声を上げるヴェガ騎士。
「はい……敵に突破された混乱の中で、味方に襲われてどうしようもありませんでした。運良く崖から落ちて、フェルから貰ったポーションのおかげで、なんとか無事でしたが。その後、パイドの部下をこっそり1人捕らえ尋問すると、両親や仲間を殺したことを吐きました。パイドの強さは北では一番。とても勝てませんし、ノードス伯爵に訴え出れば、ノードス伯爵は私に味方してくれるでしょうが、パイドは大人しく捕縛されるようなタマではありません。必ず抵抗します。それでは北は内乱状態になってしまいます。それは避けなければなりません」
と、センスが言う。
「それで東に逃げてきたのか……」
と、ヴェガ騎士が、小さめの声を漏らした。
「名を変えて生き延びて、奴より強くなって両親や仲間の仇をとろうかと」
と、センスも小さな声で言う。
「とりあえず娘を助けてくれた事に、礼を言う。ただ名を変えただけで、他は正直に話していたのは、考えが浅かったな。調べればすぐにわかったぞ?」
と、ロローシュ少将が言うと、
「いえ、閣下の娘だからではなく、部下を守っただけですので。というか、フェルが閣下の娘さんだとは、当時は知りませんでしたし。確かに考えが浅かったですね。嘘ばかりだと咄嗟に反応出来ないので、本当の事を言ってしまいました。名が違えばバレないかと思ったのですが」
と、自分の考えの至らなさに、少し反省するセンス。
「それでも、娘を救われた事に変わりはない。おぬしは、基本的に嘘がつけない性格なのかもな。ノードスには書状を送る。決してパイドに気を許すなとな。お主の処遇については、ノードスと陛下にお伺いをたてる。それまではヴェガの下で働いておいてくれ。なに、悪いようにはせん。娘の命の恩人だしの」
と、ロローシュ少将が、センスに言うと、
「お手数をおかけしします」
と、センスが頭を下げた。
「うむ。しかし、クローム騎士は、いったいお主にどんな教育をしたのかの? 今後の参考に聞いてみたいものだ」
と、ヴェガ騎士が言うと、
「私、セインス君の下に一年しかついてないから、その前の事知らないなぁ」
と、センスの横に座っていたフェルが言う。
「別に普通ですよ? どこの騎士家でもやってる事だと、父も母も言ってましたし。まず5歳の誕生日になると、森でゴブリン狩りの儀式をしますよね?」
と、センスが言うと、
「「「ゴブリン狩り?」」」
と、3人の声が揃う。




