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会議


「アストン国の簡易砦を突破する方法を見つけねば、このままでは味方がやられる一方だ!」

 誰かがそう声を荒げる。


「総力戦で撃って出ましょう!」

 別の誰かが、力強く言った。


「前回、それで多数の被害者を出したではないか!」

 それを諌める者がそう言うと、


「前回は半数ほどでしたから負けたのです。総員で撃って出れば、いけます!」

 と、なおも言い張る者。

 

 これらは、とある会議での一コマだ。

 

 場所は、国境近くの国軍の宿舎の中の、会議室代わりの食堂である。

 アウス騎士、バウ騎士、ジュンス騎士に、この戦線の指揮官であるエイブラム中佐。


 

「中佐! 少しよろしいでしょうか?」

 と、声を上げたヴェガ騎士。


「ん? ヴェガか、どうした?」

 と、エイブラム中佐が言うと、


「少しお耳に入れたい策が」

 と、ヴェガ騎士が提案があると切り出す。


「言ってみろ」

 と、エイブラム中佐に促され、


「まずアストン国の侵攻の目的ですが、おそらく食糧ですよね?」

 と、確認をするヴェガ騎士。


「ああ、それは間違いないだろう。2年前から不作続きと聞いておる」

 と、肯定するエイブラム中佐。


「ならば奴らのところに、食糧は豊富にありませんよね?」

 と、さらに確認する。


「そうであろうな。簡易砦の中に立て篭って、無駄な体力消費を抑えておるしな。それ故、どう突破するか悩んでおるのだが」

 と言われ、


「そこです! 突破する必要がありますか?」

 と、エイブラム中佐に問いかけるヴェガ騎士。


「え?」

 と、疑問の声を出したエイブラム中佐に、


「奴らは食糧が無いから攻めてきた。我らはアストン国の領土が欲しい訳では無い。ならば国境を守ればよいだけ。現状、国境を突破された訳では無いから、奴らが飢えるのを待てば良いのです。飢えてどうしょうなくなって、撤退すれば最善。撤退しなくとも、追い詰められて砦から出て来た時に、叩けば良いのでは? こちらは食糧は豊富にあるのですから!」

 と、ヴェガ騎士が言うと、


「なるほど!」

 と、エイブラム中佐は納得した。

 だが、


「それでは勝てんぞ!」

 と、アウス騎士が横から声を挟む。


「だから、勝つの定義が違うのですよ! 領土を守り切れば我らの勝ちなのです。敵部隊の兵士などほっておけば良いのです!」

 と、ヴェガ騎士がアウス騎士に言うと、


「だがそれでは、奴らが攻めて来た時、森を越え各個撃破されるかもしれんではないか!」

 と、懸念を口にするアウス騎士。


「そこですが、森を抜けた草原に出ても、奴らの弓矢は届きませんよね?」

 と、エイブラム中佐の方を見て、ヴェガ騎士が言うと、


「ああ、それはそうだが?」

 と、エイブラム中佐が、何を当たり前の事をと言いたげな表情で、ヴェガ騎士に言った。


「なので、そこに堀や柵を作り、こちらも草原で簡易砦を張れば、良いのでは?」

 と、提案する。


「なるほど! ヴェガ! 良い案だ! ロローシュ少将に言って、作戦の許可を得る! 皆、許可が出るまでは、現状維持を目的とし、森にて展開して防衛! 攻めるなよ!」

 と、エイブラム中佐が立ち上がって宣言した。


「「「はっ!」」」

 と、他の者達が、頭を下げて同意する。


「では、会議はこれまで! あ、ヴェガは作戦の立案者なので、ここに残れ。私と作戦を練る!」

 と、エイブラム中佐は、ヴェガ騎士以外を下がらせる。


「了解でありますが、私にこの作戦を進言した部下を、連れてきても良いでしょうか?」

 と、ヴェガ騎士が問いかけると、


「許可する!」

 と、言われたので、


「すぐ戻ります!」

 と、ヴェガ騎士が走って食堂を出ていく。





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