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【受賞作11/14発売】田舎の中古物件に移住したら、なぜか幼女が住んでいた~ダンジョンと座敷わらし憑きの民泊はいかがですか?~  作者: k-ing☆書籍発売中
第二章 地下の畑はダンジョンです

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43.ホテルマン、柵を作る

 ホームセンターに着くと、早速材料を揃えていく。


「あそこから出てくるのはうさぎだけか?」


 牛島さんに聞かれて、確かに疑問に思ってしまった。


 今まではツノうさぎしか見たことがない。


 それはただ穴が小さいだけなのか、それとも他の動物が入ってこれないのかわからない。


 何か別の理由があるのだろうか。


「この辺って他にも動物って出てきますか?」


「イノシシやクマも出てくるぞ」


 考えるだけでゾッとしてきた。


 もし、畑作業中にクマが出てきたら、死んでいた可能性もある。


 ちゃんとした対策が必要になるかもしれない。


「罠だけではなく、柵も準備をしてもいいですか?」


「じゃあ、それなら箱罠より囲い罠の方が良さそうだな」


「おー、さすがですね」


 やはり牛島さんは頼りになる。


 元々は箱罠を作るつもりだったが、大きな動物も来る可能性を想定して、囲い罠を作ることになった。


 これで畑の安全性は高まっただろう。


 買ったのは囲いを作るための金属パイプとワイヤーメッシュ。


 逃げていかないように扉も考えたが、一度閉めると外から破壊される可能性を考慮して、囲いだけを作ることにした。


 罠というよりは畑に入ってこないようにするためだ。


 あとはケトのおやつも買って、家に帰ることにした。



「サラちゃんだいじょうぶ?」


「うん」


 ホームセンターから帰ってくる間も、サラはしばらく静かにしていた。


 1日中外で遊んでいたから、熱中症になった可能性も考えられる。


 それに水辺の近くにいないのって、思ったよりも危ない環境なのかもしれない。


 日に当たっていたら自分で水を出す機会も少なければ、髪の毛も乾いてしまう。


 河童って思ったよりも不便のようだ。


 念の為にお風呂に冷たい水を張って、入れるように準備はしておいた。


 時間が遅くなる前に俺と牛島さんは、再び畑に向かう。


「河童も熱中症になるんだな」


「見た目は普通の少女ですけどね……」


 妖怪だからって普通の少女には変わりない。


 雪女のエルだって暑いところが苦手だから、気をつけないと命が危ないだろう。


「あの子、どこかで見覚えがあるんだよな」


「サラですか?」


「ああ、俺も妖怪に取り憑かれていたりしてな」


 ずっとこの辺に住んでいたら、こんなに我が家に妖怪がたくさんいたら、どこかで会っている可能性は考えられる。


 サラは川で出会ったから、座敷わらしや猫又よりは会いやすいだろう。

 

「兄ちゃんここを持ってくれ」


「あっ、はい!」


 牛島さんに言われた通りに金属パイプを持つ。


 その上からハンマーを使って、支柱となる金属パイプを地面に突き刺していく。


 ――コンコン


 大きな音が畑に響いていく。


「あれ? この下って土じゃないのか?」


 畑は地下にあるため、下は地面だと思っていた。


 だが、金属パイプは地面に少ししか突き刺さっていない。


「あのうさぎならもう少し刺さらないと意味ないけどどうする?」


 ちょうど20cm程度地面に刺さってはいるが、その先は全く刺さる様子はない。


 金属パイプを抜いて、その場で地面を覗いてみるが、暗くて何も見えないのが現状だ。


 しっかり土を掘ってみて、地面の下に何があるのか確認する必要がありそうだ。


 それに金属パイプを叩いた音が響いた影響か、何かが近づいている音が聞こえてくる。


 俺はすぐに近くに生えているスイカを手に取り、穴の前に置く。


 すると少しだけ顔を出したツノうさぎが、俺を目掛けて突撃してきた。


――ドスッ!


 そのまま勢いに押されて、尻餅をつくが無事にツノうさぎを確保できたようだ。


 ちゃんとしたスイカの使い方ではないが、これが一番安全なツノうさぎの捕獲方法なのかもしれない。


「音でうさぎが襲ってくるなら、柵はつけられないな」


「結局は命懸けで収穫しないといけないってことですね」


 柵がつけられないなら仕方がないだろう。


 いつものようにうさぎを仕留めると、近くで吊るして血抜きをしておく。


「兄ちゃん慣れているな」


「我が家の食料ですからね」


 初めはビクビクしていた血抜き作業もだいぶ慣れてきた。


 作業は一旦中断して、せっかく買った材料や道具は、そのまま穴の近くに置いておくことにした。


 熱中症っぽいサラのことも気になるしな。


 地上に戻るとシルとケトが俺達の方へ駆け寄ってきた。


「ふく、おなかへった!」

「うっしー、何か作って!」


 時計を見たら思ったよりも時間が経過していた。


 ネコを演じるのを諦めたケトは堂々と牛島さんにご飯の催促をしている。


「今日はトマトのチーズ焼きにするか」


 戻ってくる時にたくさんのトマトを収穫してきたからな。


 牛島さんは事前に作るものを決めていたのだろう。


 さすが牛島さんだ。


 それに初めは戸惑っていた牛島さんも、普通にケトと触れ合っているから問題はなさそうだ。


「やったー! トマトのチーズ焼き!」


 その後もケトは牛島さんの足元を二足立ちして、駆け回っていた。


 あいつ飼い主を間違えていないか……?

「⭐︎評価、ブクマをしない人達は――」

「「呪うよ?」」

 シルとケトはニヤリと笑ってこっちを見ていた。


| |д・)ωΦ^ ) ジィー


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