フェリックの戴冠式前夜
テルヴァルデからとんぼ返りして来たジェロたち。
いくらジョエルで王都にドラゴンに騎乗のまま入れるとなったとはいえ、ドラゴン2体とワイバーン1体で屋敷に降り立つと、後から衛兵に注意されてしまう。
「流石はテルガニ侯爵。ドラゴン3体ですか」
「常識が足りていなくて申し訳ありません」
その経緯を王城で、魔術師団長のラロシェル達に笑われる。騎士団長のニーションは、ラロシェルほどジェロのことを認めていないため、衛兵団のトップでもあるニーションに叱られた後である。
「そのおかげでフェリック王太子殿下の戴冠式に、ドラゴン達が連なってくれるのですから、殿下は大喜びでしょう」
「だと良いのですが」
すでにドラゴン素材や石像などはフェリックに献上を終えている。
確かにそれらはとても喜ばれ、王城の入口そうそうのところに石像を並べて、登城した者たちの度肝を抜かせると決定してしまっている。
「とりあえずお祝いの品に満足いただけて良かったです」
「あれ以上の戴冠祝いは歴史上なかったでしょうから。ですが、テルガニ侯爵はパレードでの役割もありますよ」
「いえ、最後尾でそっと付いていくだけですから」
「ドラゴンに騎乗して、そっと、は無いですから」
ラロシェル達、国家の幹部は新国王の近くを進むはずである。ジェロは侯爵なのでパレードには参列するが、新参者なので最後尾でジョエルに騎乗となっている。
残る2体には、新国王のフェリック、そして新たな王太子となるフェリックの長男が乗ると聞いている。騎士団でも乗馬技術の高い者が横に一緒に乗ることで、万が一の際の安全を確保するとのこと。




