テルヴァルデから王都へとんぼ返り2
「ジェロ、こういうのもありじゃない?」
ヴァルが人間の姿で飛び回りながら、あるドラゴンに対して魔法を発動する。するとそのドラゴンが苦しみ出して地面に落ちていく。
その前にヴァルも降り立つと、ドラゴンが襲い掛かろうとする。
「ヴァル!」
「大丈夫よ」
ヴァルが右手を差し出すと、目の前のドラゴンが動きを止めて段々と色が茶色から灰色に変わっていく。
「これって」
「そう、≪石化≫よ。素材を取ろうとするのではなく、迫力のある石像にするならば毒でも病でも何でも良いでしょう?」
Sランク魔物のドラゴンの素材も貴重であるが、その素材としての価値は無くなっても飾るには一流の彫刻家が掘ったような石像も喜ばれると思われる。それにその彫刻家も普通ならば本物の生きて動いているドラゴンを見る機会がないので、ここまで真に迫ることも難しいであろう。
「そんなことで良いならば」
リバイモンも外傷だけはない石像を作り出していく。
「まだまだね。ほら、ドラゴンが怯えていたら迫力が無いでしょう?」
ヴァルにダメ出しされながら石像が増えていく。
「待って!そんなに石像ばかり。素材も大事なんだから!」
強力な悪魔2人の暴走を何とか食い止めて、本来の目的の献上品の確保に戻る。
傷がついていても、アナトマに卸せば、今回に譲ってもらう在庫の代わりを作っていけると思われる。
その際に、いくつかの牙は龍牙兵のために自分の手元に残しておくことにする。
「ほら、もう良い加減にしないとリスチーヌが呆れているよ」
「そうね。テルヴァルデに戻って食事にしましょうか」
日帰りの遠足気分で狩りに来られた山脈の魔物達の立場も、とリスチーヌは思ってしまう。




