テルヴァルデから王都へとんぼ返り
テルヴァルデ、ガニーなどで用事を済ませた後は、アナトマに会いにモージャンの街に来ている。
「そうですか、戴冠式での献上品。そのようなことを任せていただけるとは商人としての誉れ」
「そんなに張り切らなくても。いま在庫にあるものを譲って貰うだけで」
「お急ぎであることは承知しております。ですが、我々の面子にかけて、最後の仕上げと包装などやれることはありますので」
アナトマには、リバイモン達が狩ったドラゴン素材を日頃から卸しているので、その加工については習熟済みの職人達がついている。貴族達へ販売するための高級品も在庫があるというのに、さらに何かするつもりがあるようである。
「じゃあ、お願いします。追加で、傷の少ないドラゴンの死体を入手して来ますので」
「お気をつけて。そちらの梱包もぜひお任せください」
元々、ここモージャン領主の子爵邸に出入りできていた商人との伝手は本当にありがたいとあらためて思うジェロ。
「いえいえ、我々親子をオークから助けて頂いた後も、テルガニ侯爵家の出入り商人として私たちを育てて頂いていることへのお返しですので」
どうやら顔に出ていたようである。
アナトマに頼むものを頼んだので、西の山脈に飛んでいきドラゴンに対峙する。
リバイモンやヴァルと競争するように、いかに傷のないドラゴンの死体を入手できるかとの勝負を行う。
「ジェロ様、ますます人間離れをして行っていますね」
「いや、流石に回数をこなすと慣れてくるからだよ」
「そういう問題ではないですよね……」
リスチーヌは少し離れたところで見ているだけになる。
「アルマティならば、あの領域まで成長できるのかしら……」




