戴冠式の日程2
自分達の移動速度が、王太子達の想定と違ったことに気付かされたジェロ。
そうなると王都でかなり長い間待たされることになる。
「おや、もしかするとテルガニ侯爵はお時間ができてしまうことに?」
「あ、はい」
「魔術師団員達へのご指導を賜れましたら……」
「あ、それはもちろん」
魔術師団の拠点に来たので、今日に王級魔法の実演をすることは元々想定通りである。同行しているリスチーヌとヴァルもそのつもりである。
ちなみにアルマティはモーネと一緒に買い物をして別行動である。
ラロシェルの希望は王都滞在が延びればその間、ということとは理解するが、ラロシェルにお世話になっているお礼と考えると。それにまた新たな魔導書も見せて貰えるかも……
「ジェロ様」
「あ、リスチーヌ、ありがとう」
リスチーヌが声をかけてくれて、我にかえる。
「ラロシェル団長、実はもう一つご相談があるのですが」
「もちろんです。私にできることであれば何なりと」
「この王都の中に、ドラゴンで出入りしたいのですがどうしたら良いでしょうか」
「は?あ、失礼しました。そうですよね。ドラゴンに騎乗されているのに、王都にそのまま入られないと。気づいていなくて申し訳ありませんでした」
「あ、いえ」
「確かにご不便でしょうが、王都の住民もドラゴンが急に来ると驚くことでしょう」
「ですよね」
「大丈夫ですよ。事前にそのことを知らせれば良いのです。逆にそのためにお願いをしても?」
ラロシェルの笑顔が少し怖い。
「いえ、特に難しいことでは……ラーフェン王国の解放の際にテルガニ侯爵がなさっていたと伺っていることですので」




