強引なアーロルト
「ということで、今日の村の案内は私アーロルトが」
「いえ、今日もデマリーネさんのお家で料理を教わりますので」
リスチーヌが代表して答える。
「そんな。でも明日にはこの村を出てしまうのですよね?」
「よくご存じですね」
「では、テルガニさんは?あなたまで料理を?」
「いえ、私は魔道具店のユーリッツさんのところに行く予定でした」
「そちらにご一緒させて頂きます!」
うまく断る術もなかったジェロは、ヴァルと一緒にため息をつきながら、アーロルトと共に魔道具店に向かう。
「なるほど、魔法カードや魔導書を購入されたのですね」
「はい。昨日はユーリッツさんと魔法の解析をしていましたので、今日も新たな知見を得られないかと」
「そういうことでしたら、なおさら私も貢献できるかと。村で指折りの……」
「そうでしたね。ではユーリッツさんとお会いしてからご相談しましょう」
アピールが強いので、話の途中でさえぎって、その結論をあと送りにさせておく。
「これはテルガニさん。昨日は色々とありがとうございました」
「こちらこそ色々と助かりました。明日にはこの村を出ることになりましたので、できれば本日もご一緒に、と思いまして」
「それは、それは。ありがとうございます」
ユーリッツも村では上位の魔法使いだったようで、アーロルトと共に魔法の修練場に案内してくれる。
「なるほど、ここならば他の人へ影響はなさそうですね」
ジェロは昨日に入手した魔導書の練習を、ヴァルにも手伝って貰いながら行おうとしたら、アーロルトが割り込んでくる。
確かに木魔法の≪繁殖≫についてはヴァルも知らなかったようなので、アーロルトとユーリッツの助言が役に立った。
しかしその後の≪重力≫と≪霧氷≫については、共に王級ということもあり、実質的にヴァルとの2人だけになる。
それをアーロルトが真剣な目で見てくるのが、少し怖かった。




