龍牙兵
「私が付き添うから、あなた達はもう帰った方が良いわよ」
こうなったら、と理解するヴァルがモーネ達に声をかける。
皆も、ジェロがその≪龍牙兵≫のことに専念してしまうだろうし、それに助力できるのは上級の悪魔であるヴァルしかいないと理解している。そのため、デマリーネと共に店を出ていく。
「私たちは、そうね、このエルフの村で入手できる服のお店に行きましょうか」
「そうですね、女性だけですし。アルマティさんは普段どのようなものを?」
「村の外ではエルフと気づかれないように、耳を見せないようにしているため、似たようなものが多いです」
「なるほど。そういうふうに、村の外に行く際の服もあるか確認しましょうか」
デマリーネはこの村で長い時間を過ごしているため、服飾店も知り合いである。先ほどの魔道具店と違い外部の人があまり来ない店であるので、案内役がいてくれる方が助かるとリスチーヌ達も思う。
「じゃあ、他にアクセサリーなどの店も教えてくださいね」
「もちろん。料理も美味しいものを食べましょうね」
皆との別れの挨拶もそこそこに、店主ユーリックが取り出して来た≪龍牙兵≫の魔導書を読みふけるジェロ。
「龍の牙の兵。ドラゴン・トゥース・ウォリアー、またの名をスパルトイ。ドラゴンの牙を用いて、骸骨を生み出す魔法ということは分かっております。ですが、死霊魔法でスケルトンを生み出すのは違うようでして」
「なるほど。確かに死霊魔法とは魔術語も魔法陣も違いますね。死霊魔法は魂を使用しますので。ドラゴンの牙の一つ一つに魂があるわけではないですし」
「まさか」
「はい、≪骸骨≫はこのような感じで」
わざと死霊魔法の魔術語と魔法陣を使用した≪骸骨≫魔法を発動して見せるジェロ。
いくら店舗の奥で、他人が来ないところではあるが、いきなりスケルトンが現れて驚いているユーリック。
「ジェロ……」
「あ、すみません。でも、違いはご理解いただけたかと」




