エルフ村の趣味人2
魔道具屋の店主ユーリッツに、ドラゴン素材を提示して驚かれている。
「まさか、本物のドラゴンの牙。もしや血なども?」
「えぇ、欲しい部位があればどちらでも」
「どの部位でも大変貴重ですよね。いくらでも頂戴したいところですが、対価にお支払いできるものはございません」
では、とジェロはユーリッツの魔法カードのコレクションを見せて欲しいとお願いする。
「はぁ、結構ですが、私のコレクションには高価なものはあまりありませんよ」
呆れる妻達を置いておいて、再び店の奥に2人で向かうジェロ達。
「これは良いですね」
「そうですか?ではこちらとでは?」
互いのコレクションを見せ合い、自身が持っていないものと重複したものなどの交換をする。新たな魔法習得につながるものはなかったが、楽しい時間が過ぎていく。
「ふぅ」
ふと我に帰ると妻達がこちらの様子を冷たい目で見ている。
「ジェロ様、満足されたようで良かったです」
「あ、みんなごめんね……」
「ドラゴンの素材、特に牙を頂戴できますか?いえ、というより一緒に実験に付き合っていただきたく」
同じく魔法カードのコレクション交換に満足していたユーリッツが本題に話を戻す。
「実験ですか?」
「≪龍牙兵≫をご存じですか?」
ジェロはヴァルが反応したのを感じる。
『ヴァルは知っているんだね?』
『まぁ、ね。便利だし、もし習得できるならばその機会は逃さない方が良いわね』
「いえ。ですが魔法に関することでしたらぜひともご一緒させていただけたらと思います」
「私もまだ解読中なところでした。それに材料も入手困難でしたので」
ユーリッツが取り出したのは、これも先ほどの≪重力≫や≪霧氷≫の魔導書のように、見るからに歴史のありそうな魔導書であった。




