エルフ村の散策
「ところで、アルマティは何も食べていないままでしょう?」
「そうですね、私たちも先ほどは満足に食べられていないので、どこかで食べたいですね」
アルマティの気分を変えるためにも、リスチーヌとモーネが話題を振ってくる。
「では、私がご案内します。今更ですが、私の名前はアーロルトです」
ジェロたちをここに連れてきて、魔力の大小で微妙な顔をしていた、ある意味で感情表現が豊かな青年である。
「では、改めて私たちも。ジェロマン・テルガニです。こちらから、モーネ、ヴァル、リスチーヌ。いずれも私の妻です」
「な!まさか彼女も?」
「いえ、アルマティは単に仲間なだけです。魔法も得意なので今回の旅について来て貰いました。このエルフ村に来る意図がなくても、です」
「そうですか。では、私の一番のお気に入りのお店をご紹介します。ちゃんと肉料理もありますのでご心配なく」
「え?」
「外から来られる方は、私たちに草や木の実しか食べないのだろう?とよく言われますので」
「アルマティが普通に食べていましたので……」
とは言いつつも、実は少し考えてしまっていたジェロはそのことに触れられない。
この魔法陣のあった部屋も、すでに地上から上に登ってきたところではあったが、その食堂に案内されるまで、木々の間に作られた木製の通路を通ることになり、今までにない経験であった。
「外から来られる方々は、こんな上空を歩くことを怖いとおっしゃるのですが、皆さんは問題なさそうですね」
「え、えぇ。空を飛ぶことは慣れていますし、もし落っこちても途中で飛べば良いので」
「え?」
「エルフの皆さんも飛べるのでは?」
≪飛翔≫で浮かんで見せたリスチーヌに対して、アーロルトが驚愕の顔をする。




