アルマティの奴隷契約
「すみませんが、こちらにお越しいただけないでしょうか」
交流会も進み、アルマティの叔母と聞いたデマリーネと別れたあたりで見知らぬエルフから声をかけられる。
「はい、どうされたのでしょうか?」
「お預かりしました娘の対処のことで」
「アルマティのことですか?どうしたのですか?」
「いえ、彼女に問題が起きたわけでは。ご助力をお願いできれば、という意図でして」
苦虫を潰したような顔をしながら、助力を頼んでくるエルフ。何のことか良く分からないので、仲間達と一緒にその男性について行く。
「皆さん!すみません、お手数をおかけして」
「いや、アルマティ、無事ならば良かった。どうしたんだ?」
案内されたのは、床に魔法陣が書かれた部屋であり、その真ん中の椅子に座っているアルマティ。見た目は特に問題があったようには見えない。
「はい、私の違法な奴隷契約の魔法を解除するため、まずは違法でおかしくなっているところを正しく直そうとして貰ったのですが……」
「え?無理だったのか。特殊で普通の奴隷商ではどうしようもないと言っていたよな」
「いえ、修正の方法はわかったそうです。この魔法陣はそのためのものでして。問題は私の方でして。私は今の状態で困っていないからか、今の状態を変更しようとすることを無意識に抵抗してしまっているようなのです」
「いやいや、変な奴隷契約は無くなった方が良いだろう?」
「いえ、本当に困っていませんので。それよりも奴隷契約が解除になったら、私をこの村に置いていくことを考えておられませんか?」
少し泣きそうな顔でアルマティが聞いてくる。
「ジェロ?」
「あぁ、ヴァル。その通りだよ。奴隷契約を解除できないから連れて行ったのだから、解除できたら自分の意思で今後の人生を決めて貰おうと思っていたよ。それが俺たちと別れて、親族もいるこの村に残ると言われてもそれまでと思っていたよ」
「バカね」
「本当、ジェロ様って……」
ヴァルやリスチーヌに責められるジェロ。




