エルフ村への訪問
このルグミーヌ王国に以前に来たときにも、あまりエルフを見かけることはなかった。吸血鬼に捕まっていたアルマティくらいであった。
その希少なエルフが、ムスターデ帝国との戦争の際にルグミーヌ王国に協力していたということで、その伝手を知りたかったのである。
「エルフ村ですか……あまり我々とですら交流をしないので」
「何を言うの?この王国の恩人であるテルガニ侯爵のご希望ですし、なんでしたら私がご案内しますわよ」
「そんな、メンヒルト様」
メンヒルトが応接間を出て行ったと思えば、宰相ベンタインを連れ戻って来た。
「テルガニ侯爵であれば、我々を頼らなくても勝手に探しに行けてしまうでしょう。それなのに筋を通してくださったのですから、お断りはしません。ただ、念のために目的を伺ってもよろしいでしょうか?」
丁寧な口調ではあるが、単に興味本位とは言えない雰囲気である。
「実は、そこのアルマティはエルフなんです。何かと問題にならないように耳を隠しておりますが」
「ほぉ」
「それに彼女は吸血鬼に捕まっていた1人ですが、その前は違法な奴隷契約をされていたようでして。魔法に長けたエルフの方々であれば、同胞の彼女のためにその契約解除の協力をお願いできないかと」
「なんと。それはいずれも我が国の不始末のお話ですね。そうなると是非ともご案内もさせていただきます」
「あ、もちろん私は魔法使いですし、エルフの魔法にも興味はありますので」
「それは当然でしょう。当代で一番と思われるテルガニ侯爵ですので」
話の順番を間違えてはいなかったようだとほっとするジェロ。
アルマティにはそのことを話していなかったので、少し目が潤んでいる気がするが見なかったことにする。




