王都アーレアでの挨拶回り
「じゃあ、ここで良いか?」
「え?ここは?」
「王国騎士団の拠点だよ。騎士団長様の館なんて、貴族街には簡単に入れないし、ここならばその辺の人に聞けば良いだろう?それに騎士団長様本人なんて知り合いじゃないんだろう?見栄を張っただけで、団員かせいぜい隊長とかなんだろう?だから、騎士団のところに連れて来たんだぜ」
「そ、そうか。ありがとうな。助かったよ」
依頼書に完了サインをしながら苦笑いをしてしまうジェロ。
「じゃあ、あんた達が恥をかくところを見ないように俺たちはさっさと消えてやるからな」
「あ、あぁ。ありがとう」
本当に言葉通り、ヨルンとモーネの若手冒険者はすぐに去って行った。
「ジェロ様、楽しかったですね」
「リスチーヌはかなり楽しんでいたな」
「はい、アルマティもコッソリ笑っていましたよ。モーネ様も、あの少女のモーネちゃんに何か愛着がわいた感じでしたよね。ヴァルも、男の子のヤンチャぶりを笑っていたし」
「ジェロはあぁいう感じの少ない男の子だったから。まぁあぁいうのが普通の男の子だよねって」
「ヴァル!変なことを言わなくて良いんだよ」
前世の記憶もある男が、普通の男子みたいなことはそうそうできないと内心で考える。
「で、騎士団長への面会を申し出てくれば良いでしょうか」
一通り皆での笑いが終わったところでアルマティが切り出してくる。
「そうだね。あっちから門番の方が怪訝そうにこっちを見ているからね」
アルマティが騎士団長のトリアウエへの面会を申し出たところ、何も事情をしらない兵士からは怪訝な顔をされたが、横にいた先輩兵士の方は、ラーフェン王国でムスターデ帝国を追い出す戦いに参加していた1人だったようであり、すんなりと理解して貰えた。




