王城での結婚披露
ジェロ達が案内されたのは、先ほどの応接室のような待機場所より上等で大きくはあったが、謁見の間では無かった。
「なんだ、少しホッとしたように見えたぞ」
「あ、いえ、そのようなことは……」
「ジェロマン、お前よりモーネ王女の方が流石に堂々としているな。それとヴァルという奥さんも。どこかの貴族だったのかな」
「あ、いえ……」
言葉に詰まるジェロの横で、悪魔ヴァルは言葉を出さず綺麗な微笑みだけで返事としている。
「お、来られたな」
王太子の呟きの通り、宰相クリスタン・ボーヴリーと騎士団長エクトビ・ニーシヨンを伴って国王ルネスラン・エビナント・コンヴィルが、部屋の奥から姿を現す。
他国の王族ではなく貴族ジェロの妻になった意識のモーネも含めて、皆がひざまずこうとするが、ルネスランが制止する。
「あぁ、良い。この場は一部のものだけの非公式なものである。くつろいで欲しい」
「ありがとうございます」
ジェロがその言葉を受けて背筋を伸ばす。
「ジェロマン・テルガニ、参上いたしました。先日は私の結婚に際し過大なものを頂戴しまして誠にありがとうございました」
「ははは。かたいな。非公式である。まずはご夫人達を紹介して貰えないのかな?」
「は、失礼いたしました」
ジェロの緊張した行動が微笑ましいと思われたのか、コンヴィル王国のトップ達の顔がゆるい。
「あの強大なムスターデ帝国すらも敵わないテルガニ侯爵のこのような姿、なかなか拝めるものではないですな」
「彼の国には内緒にしておかないと」
宰相と騎士団長の言葉に、ジェロはますます顔が赤くなってしまう。
「テルガニ侯爵、陛下のお言葉に甘えて、お気楽に」
ラロシェルが優しくフォローに入ってくれる。




