新婚旅行でのミューコン滞在3
すっかりジェロ達テルガニ家に対する、王家・幹部の窓口のようになっているラロシェル魔術師団長。腰が低いが侯爵であり、騎士団に比べて立場が弱いとはいえ魔術師団の団長である。
以前からジェロの魔法の力をかってくれており、あれこれとやり取りがあった。
「ラロシェル様、こちらをお納めください」
先日の結婚披露に駆けつけてくれたことも含めて、ドラゴンの各種素材を提供する。
王家にドラゴンの死体を献上するので、同様の話にはできないが、魔法使いである団長にはSランク魔物の鱗、牙や血液などは研究対象として役立てて貰えるとの期待である。
「このような!いえ、さすがはテルガニ侯爵ですな。ドラゴンを従魔にされるお力があるのですから」
その柔らかい物腰のラロシェル団長と穏やかな空気が流れていたのに、突如、それの終了が告げられる。
「ジルベール、お前だけ先に来ているとは」
「フェリック王太子殿下!」
ジェロ達がひざまずこうとすると、フェリックがそれを否定する。
「テルガニ侯爵、いや、ジェロマンと呼ぶぞ。王都によく来てくれた。さぁ、国王の時間も取れた。移動するぞ」
強引な王太子であり、ジェロはその勢いが苦手であるが仕方ない。
「何をしている?今日は結婚の報告なのであろう?その奥さん達も来ないと意味がないぞ」
流石に気後れしていたリスチーヌが後ろに下がって、アルマティと一緒にこの部屋で待っています、という雰囲気を出しているのに気づいたのであろう。
「奥さんは3人と聞いているぞ。モーネ王女以外の2人は、その3人のうちどなただ?」
「ヴァルと申します」
「リスチーヌと申します」
「王太子のフェリックだ。すまない、ちゃんとした挨拶は後ほどと思っていたのに。さぁ父も待っている。急ごう」
残るアルマティを羨ましそうに振り返るジェロとリスチーヌであるが、ラロシェルを含めて部屋を出ていくことになる。




