侯爵軍3
「軍の整備と併せまして」
マドロールが追加で進言して来たのが、装備のことであった。
「確かに、冒険者の集まりと違って正規に侯爵の軍隊となるのであれば、装備は統一しないと。衛兵も住民や外部から分かりやすく統一されていないとまずいですね」
今まではジェロの仲間として統一したローブを配るだけであったが、今後はそういうわけにもいかない。
「はい、どうぞお任せください!」
困ったときの商人アナトマである。
「レナルマン様がおっしゃるように、衛兵は特に犯罪抑止のためにも威圧感をある程度は持たせた方がよろしいですね。また、全員が騎乗するというよりは徒歩で巡回する前提で金属鎧というよりは軽い革鎧で。それに槍を標準装備に追加した方が良いでしょう」
ジェロも、この世界の各街を巡った記憶で、衛兵は槍を携えていたように思う。
その結果、衛兵にするウード配下の700人は、濃い茶色の革鎧と槍と片手剣を標準装備と決める。
「酔っ払いの仲裁みたいなことも考えると、相手を怪我させずに取り押さえる体術なども訓練に取り入れて貰わないとね。新しく槍を覚えるだけでなく」
「かしこまりました」
「ウード、真面目なのは良いけれど、かたくなりすぎないように、ね」
「ミュンヒとノルトマンの2地方出身の2つの軍は、それぞれ競って頂くためにも色を分けた方が良いでしょう。元のミュンヒの人達が黒色でしたので、ノルトマンの人達は紺色でいかがでしょうか」
「私は何でも結構です」
「ヘルツォークが良いならば」
装備が揃い、それを見た住民から黒龍騎士団、青龍騎士団、茶龍衛兵団と名付けられ、それが正式名になっていくのにそれほどの時間はかからなかった。
「どうして龍なんだよ。恥ずかしい……」
「ジェロが最近、ドラゴンばかりお土産にしたり、領地内のドラゴン素材をたくさん輸出したりするから、テルガニ侯爵家は龍の印象になったのでしょう?」




