新たな街道
魔法カード製作については、自身の目指したい方向性が定められないまま、まずはフェニルスに教わった魔法を習熟することにするジェロ。かなり難易度が高く、すぐに習得することは難しそうであり、暇を見つけてはヴァルに付き合って貰いながら練習することになった。
「ジェロ様、少しお時間をよろしいでしょうか」
領地運営の関係では、なんだかんだとジェロが居なくても進められることが増えているはずであるが、ジェロが決断すべきこともまだまだ残っている。
「ベルカイム王国に向けた街道の場所を決定させてください」
マドロールやグンドルフが案をまとめてくれていた。
「以前にもお話しましたように、ジェロマン様達が良く通られているリブルドーの街へ真っ直ぐ向かうところは、龍属の魔物が多く一般人の通行には適しておりません。そのため、リブルドーより南方のワコローズもしくはローニャックの街に向けた街道の整備が好ましいと思われます」
「そうだね。前にそういう話になったね」
「はい。そのため、リスチーヌ様とアルマティ様が上空から候補を確認してくださいました」
「そうなのか。2人ともありがとう!」
「マドロール達みたいな難しいことはできないので、空を飛べるからの役割分担なだけですよ」
リスチーヌが照れ隠しのような返事をくれるが、素直に感謝するジェロ。
「その結果、なるべく高低差が少なく距離も短めに国境を越えることを考えると、ワコローズに向けたこの辺りを通っていくルートが最適と判断しました」
「そうなんだ。でも、ここってこの辺りの森を通るのだね。もう少し北の平地を通らないの?」
「平地はガニー男爵の領地になります。今はよろしいのですが、何代も後世のことを踏まえるとテルガニ侯爵家の領地の中で街道を整備した方がよろしいかと」
「うーん、そういうものか……」




