悪魔フェニルス
魔人達のための村の件は切りがついたので、テルヴァルデに戻ったジェロ達。
「サグリバス、話を聞かせて貰えるかな」
「な」
「何か話したそうにしていただろう?あの魔人用の開拓地でもほとんど話さなかったし」
ジェロの執務室でサグリバスと二人きりになる。
「実家に帰ったので、以前にお話ししていた魔法カードの製法の話や先祖の話を確認しようとしたのですが」
「うん」
「どちらについても口頭で伝わって来ただけで書いたものなどは全然ありませんでした」
「そうか……仕方ないな」
「でも、始祖である悪魔フェニルスを召喚する術は確認して来ました。子孫が困ったら助けると言っていたそうです」
その話を聞いて目を輝かせて期待するジェロ。
「ヴァル様は居なくて大丈夫ですか?封印されたきっかけでもあると言うことなので、会ったら喧嘩するかもしれませんが。それもあって言葉にしなかったのですが」
「そこまで大人気ないことも……いや、恨みは深いかも……いったんは俺達だけで……いや、やっぱりヴァルに隠し事はすぐにバレる。声をかけてこよう」
「ジェロ、良く声をかけてくれたわ。もし黙ってフェニルスを召喚するなんてことをしたら、どうしていたか」
ヴァルに声をかけて良かったとこっそり胸をなでおろすジェロ。
「では」
サグリバスは魔法陣を書いた羊皮紙を広げて、そこに自分の血を垂らす。
「偉大なる悪魔、フェニルス。子孫である我サグリバスが召喚する。姿を現して我を助けよ」
ヴァルと同じような姿形ではあるが、どことなくサグリバスに似た顔の美人の悪魔が姿を現す。




