魔人の移住候補3
抵抗されても面倒なので、会話ができるために首から上だけを残して≪氷結≫を継続したままのアバドンと、過去に戦ったことがあるアラトラス。そしてまだ自己紹介もされていない、見知らぬ魔人。
「で、ネベルソン達が連れて来たのはこの3人と言うことかな?」
「あ、あぁ」
「じゃあ、もう1人とも戦って力を示したら良いのか?」
「ガニーの英雄殿よ、もうその程度で勘弁してやってくれ」
アラトラスが間に入って来る。
「このアバドンは血の気が多い奴でな。自分でやり合ってみないと理解できない奴なのだ。で、このアリオクは≪飛翔≫が出来るくらいには魔法は使えるが、本業は大工などの職人だ」
「ん?と言うことは」
「そうだ。実際に見てみて、移住先として認められるならば、皆が到着する前に村を作り上げるつもりで一緒に来た」
「アバドンも、もうわかったな?」
「あぁ」
アラトラスの言葉に素直になったアバドンが返事をしているので、≪氷結≫を解除しておく。
「この魔人用の村を含めたここの領主殿は、契約した悪魔3体を待機させたままだったのだぞ。きっとあそこで待機しているドラゴン3体も従魔なのだろう?」
「ん?あぁそうだ」
ジェロが同意するのを聞いたアバドンがうなだれている。
「ここの領主のジェロマン・テルガニだ。特に難しい制約をするつもりはない。ただ付近の住民と自ら揉め事を起こすようなことはせず、何か問題が発生すれば遠慮なく申し出て欲しい。この村の場所は普通の人間は来られない場所のはずだから、おとなしく暮らせると思う」
「確かに、そうだな」
「もちろん、積極的に人に交わることも否定しない。冒険者になって活躍して貰うことも可能だろう」




