魔人村の開拓3
本当に良いんだな?と念押しをしながら≪飛翔≫で飛び立っていったネベルソン達。
「良かったんですか?」
「ん?リスチーヌも分かっているんじゃないの?彼らはちゃんと戻ってくるよ、きっと」
「まぁそう思いますけれど」
「俺達は彼らの分まで開拓を頑張らないと」
「いえ、ジェロ様は領主の方のお仕事も頑張ってください」
ジェロはマドロールに捕まり、書類仕事に精を出すことになる。もともとマドロール達が優秀なため難しい判断などはなく、追認する程度のことばかりであるが、それでも判断者、決裁者として領主のサインを行うことで法治の体を体外的にも見せるためである。
さらにそのような政治面や外交面については、モーネも手伝ってくれている。
特に外交面において、対面で結婚の挨拶ができていないユニオール皇国やルグミーヌ王国には、ドラゴン素材による手土産にモーネ自筆の手紙を添えて使者を送っている。
魔人2人とジェロが戦力にはならないが、リスチーヌとアルマティが兵士達の工兵としての訓練を兼ねながら街道整備を行っている。
元ミュンヒで宰相の家系であったグンドルフ・ノールが政治面の手伝いもしながら、元ミュンヒ地方の移民兵の訓練を統率しており、その一環でもある。
「ディートマル様。移民だけでなく兵士達も元ミュンヒの存在意義を、このテルヴァルデでしっかり見せつけませんと」
「そうは言うが、五千数百人がミュンヒ出身だぞ。つまりほとんどミュンヒみたいなものだろう?」
「そうです。だからこそ、ミュンヒがテルガニ家で役に立つことを示さなくては」
「ディートマル様。先日のベルカイム王国のワコローズの戦いで、元ノルトマン王国の王族がジェロマン様と接触したことを気にしているのですよ。またミュンヒ地方みたいにノルトマン地方の移民を受け入れるんではないかと」
「ヤーコプ、余計なことは言わなくて良い。お前もちゃんと騎兵を訓練しないと、空を飛べない我らとしての存在意義を」
「はいはい。アウレーリウス、カスパー、お互いに頑張ろうな」
元ミュンヒでの貴族であり、戦争奴隷になった元ムスターデ帝国の将校だった者達も、テルガニ家としての参戦にほとんど貢献できていないことを気にして頑張っているようである。




