魔人村の準備
住民や知り合い達への結婚披露のイベントも終わったジェロ達は、コンヴィル王国の王都ミューコンの屋敷を任せているクシミールやアリエメ達にもお祝いのお裾分けを手配する。
そして、本人達はガニーの屋敷ではなくテルヴァルデの領地の屋敷で暮らし始めている。
「ヴァル、そろそろ動き出そうと思うんだ」
等身大での姿で行動するようになったヴァルに話しかけるジェロ。
「本当なのね」
「あぁ。だから、あの魔人、アゼルフスに連絡を取って欲しいんだ」
「彼の悪魔、グサイモン経由ね」
ジェロは人生ではじめて出会った魔人アゼルフスへの連絡を希望する。何かと取引をすることにもなり、完全な敵対関係にもないし、ネベルソン達のように奴隷にしたわけでもない相手である。どこかは分からないがおそらくムスターデ帝国で暮らしていると思われる。
「アゼルフス、久しぶりだな」
「長らく連絡も無かったので忘れられているかと思いましたよ」
「希望通り研究生活は送ることができているのか?」
「残念ですが……というか、そのような雑談をしたくて連絡して来たのではないのですよね?ガニーの英雄とも呼ばれる方が」
「どこまで話が伝わっているのやら……。そうだな、雑談ではなく本題に入ろう。お前を含めた魔人達を俺の領地に迎えたいと思う。どうだ?」
「何の冗談ですか?……いえ、まさかの本気ですか?」
「もちろん冗談を言うために連絡を取ることなどしない」
「いや、まさか。しかしあなたなら確かに帝国に対しても……」
「そうだ、すでに魔人は何人も倒して来たし、奴隷にした4人の仲間がいる。ただ、世にいう奴隷のような酷い扱いはしていないはずだ。何なら話をさせてやっても良い」
「奴隷ならば嘘をつかせることも可能でしょうけれど、そこは信じましょう」




