それぞれからの祝辞
結婚披露の中では、コンヴィル王国の王都からの使者も居た。ジェロのことを昔から認めていた魔術師団長のジルベール・ラロシェルである。
事前にマドロールが進言してくれたので、案内をすることができたのである。
「ジェロマン様はコンヴィル王国、ラーフェン王国、ベルカイム王国のそれぞれから侯爵の爵位を頂いています。ラーフェンとベルカイムはモーネ様の生家、弟君ですので当然だったのですが、ともに国王陛下にご報告・ご挨拶をされています。ベルカイム王国の王家にも何かしらのご対応を」
「テルガニ侯爵、この度はおめでとうございます」
「ラロシェル団長、遠いところをよくぞお越しくださいました」
「いやいや、王都からは本当に遠かったです。当日の到着になり、申し訳ありません」
「そんな、こちらもご連絡がギリギリになって」
「というか、爵位もない単なる使者が来ることを期待された日程だと理解しておりますよ。ただ、国王陛下、そして王太子殿下が重臣の誰かが行かないなら自分が行くとおっしゃって。そこでお世話になっている魔術師団を代表して私が伺った次第」
「ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません」
「いえ、テルガニ侯爵がご自身で思われている以上に王家はあなたのことを軽く扱うつもりがないということです」
「恐れ多いことです」
「そしてこれがご結婚のお祝いの品になります」
「え?これは。王級火魔法≪爆炎≫の魔導書?」
「はい、何かあったときにテルガニ侯爵に下賜されるように写本を準備されていたものになります」
「こんなものを頂戴して良いのでしょうか」
「他2国にテルガニ侯爵を奪われないように、という思いでしょうから、どうぞお受け取りください。私も受け取っていただけないと使者の役目を果たせなくなりますし」
「う。そういうことでしたらありがたく」




