テルヴァルデでの披露会3
「では、我らが領主、ジェロマン・テルガニ侯爵閣下の結婚披露を行う」
アルマティの風魔法によって拡声された、イドの声が響き渡り、歓声が湧き上がる。
テルヴァルデの住民や兵士たちが全員集まれるような場所は、開拓地の中にあることはあるが、塀に囲まれた場所ではなく開放的な場所ということで、開拓地のすぐ北側の平原に会場を設置している。
ここに多くのテーブルを持ち込んで、その上に食べ物や飲み物がぎっしりと並べられているのである。
事前にイド達に言われたように、森の方に隠れていたジェロ、モーネ、ヴァル、リスチーヌはドラゴン3体に騎乗して登場する。
それと同時に、ラーフェン王国の王都ジークセンでも行った花火もどきをアルマティ、ネベルソン、サグリバスが発動させる。
ドラゴンに驚いた者もいれば、花火に驚いた者もいるだろう。そして美人3人を妻に迎える男に対するやっかみがいっぱいの者もいるのだろう。それぞれの声が何を言っているのかわからないぐらいの歓声となる。
「私ジェロマン・テルガニはここにいるモーネ、ヴァル、リスチーヌと結婚しました。子供の頃からお世話になった皆さん、ここまで来られたのも皆さんのおかげです。そしてこれからもよろしくお願いします」
「私モーネは、このジェロマン様に助けられてここにいます。まだ新参者ですがこれからよろしくお願いします」
ジェロ、モーネの挨拶の後、ヴァルとリスチーヌは頭を下げるだけだったが、領主がえらぶらない態度であることを改めて知った住民達、特にムスターデ帝国からの避難民達は自分達の幸運を噛み締めるのであった。
来賓であるガニー男爵達の言葉の後、飲み食いが始まる。テーブルマナーなど知らない者達も多いが、気にせずに食べられるサンドイッチなども数多く取り揃えてある。
「ジェロ兄、結婚おめでとう!」
孤児院の子供達が自分達なりの手作りの花束を渡してくれたときには、ジェロも緊張の糸が緩み、目から溢れそうなものがある。




