ヒルデリンへの報告2
「ヒル、私はこのジェロ様と結婚したの。これからはジェロ様をお兄様と呼ぶのよ」
「ジェロ?お兄様?」
「いえいえ、ヒルデリン様。今まで通りジェロとお呼びください」
「ジェロ様、それでも」
「いえ、モーネ様、今まで通りの方が」
ヒルデリンの目線に合わせるようにしゃがんでいるモーネとジェロ。
一通りのやり取りが終わったのを見たアンネが近づいて来る。
「モーネお姉様、ジェロマンお兄様。ようこそいらっしゃいました」
「これはアンネ様。突然の訪問、申し訳ありません。はい、結婚のご報告に参りました」
「これからもどうぞよろしくお願いします」
「なんと!これは喜ばしいことですな。テルガニ侯爵がベルカイム王家とも親戚ということに」
ついて来ているプランケット魔術師団長が相変わらずの太鼓持ち発言をする。
彼はやはりこの王国で、ムスターデ帝国に占領される以前から残っている権力者として立場が強いのであろう。この少人数の筈の場についてくるぐらいであるので。
「プランケット団長、親戚といっても姻族なだけですので」
「いえいえ、義理の兄弟ですよね?」
「そうですよ、ジェロ様。ヒルはジェロ様の義理の弟になるのですから」
ここではプランケット側に立つモーネ。
「それはそうですが……」
モーネとの結婚により、各国との政治的な対応がますます出て来るとは覚悟していたものの、このような場合にはどう転ぶのか、どう対応すれば良いのか分からない。
「ジェロ様、あまり難しく考えず、今まで通りヒルと仲良くしてやってくださいませ」
「それはもちろん」
「それだけで良いのですよ」
どこまで悟り切ったのかと思うモーネの発言。




