アンネ・ヒルデリン戴冠式3
テラスからの国民への戴冠の披露を終えたアンネとヒルデリン。
続いてパレードに移る。
「じゃあ、クリノーム、ベルフール、しっかり頼むね」
アンネとヒルデリンがそれぞれドラゴンのシュシュとラヴィに騎乗する際に、護衛と御者を務めるだけでなく、幼い体を支える役目も頼んである。
女魔人のクリノーム、ベルフールは、幼い2人のお世話をずっとして来たので信頼も得られている。そのため幼い女王と国王はドラゴンの背中にも心配することなく座っている。
「じゃあ、私達の番ね」
「あ、あぁ。頼むな」
緊張してどもりながら手を取って一緒に≪飛翔≫でドラゴンの背に移動するのは、ヴァルである。
以前の戦勝パーティーのときのようにこの場に相応しいドレスを着こなしている美人の貴婦人が横にいる。
「ジェロ、パレードはこの前のジークセンと同じでしょう?しっかりしないとヒルデリン達の恥になるわよ」
「そうだな」
ヴァルに小声で叱られて気合いを入れ直すジェロ。
「良かったのですか?」
「悔しいけれど……」
アルマティに答えるリスチーヌ。横にいるネベルソンとサグリバスも無言である。
気合いを入れはしたが、精神をすり減らした街中のパレードから王城に戻って来たジェロ。
仲間達の様子を伺う余力もないまま自分達の控え室に戻り座り込んでいたのだが、部屋の外から声をかけられてしまう。
「テルガニ侯爵、ラーフェン王国のモーネ王女のお越しです」
「え?はい、どうぞお入りくださいませ」
慌てて立ち上がりドアの前に移動して待ち構える。




