アンネ戴冠式の準備
山脈を越えてリブルドーの街の近くに着地するジェロ達。
「前にジョエルに対して従魔の手続きをした魔物使いを探して来て貰えるかな」
城門の方に見える衛兵達が混乱しているようであった。ドラゴンが3体も街に向けてやってくればそうなるのは当然であるが、少し前にジョエルを連れて来たジェロの事例がある。
しかも街から離れた場所に静かに着地しているからなおさらである。
こちらに駆け寄って来た衛兵に対して説明をして、リスチーヌに魔物使いを探して貰う。
「テルガニ侯爵。領主は戴冠式のために王都に行っておりますが、代理の者がご挨拶をさせて頂きたいと」
「騒がせて申し訳ないのですが、ここには立ち寄っただけで、戴冠式のために王都に急ぎますので」
リスチーヌが連れて来た魔物使いが手続きをしている間に、衛兵隊長と名乗る者から打診されるが、相手も無理強いできない理由で断っておく。先方も本気で誘っているのか、礼儀としてなのか分からないので、これくらいで良いだろうと思っておく。
もし王都に直接連れて行ってあちらで従魔の手続きをしようとしたら、もっと騒動になったと思うとリブルドーの街で実施することで良かったと思う。
と思っていたのは最初だけであった。
リブルドーは前回に一度ドラゴンの話も経験済みであるし、その前には地龍の襲撃もあったので少しは免疫があったと思われる。
一方、王都は帝国に占領されたこともあったが、Sランク魔物が、しかも複数が近づいた経験はなく、混乱させてしまったようである。
前触れの使者を出すことも考えずに皆で揃って王都近くに来てしまったのが失敗である。
ただ、ヒルデリン王子、アンネ王女、そして魔術師団長のイニャス・プランケットがジェロのことに思い至ったようである。




