テルヴァルデへの一時帰国3
「フロ姉、ただいま戻りました」
「あらジェロ、お帰りなさい。ラーフェン王国に行っていたのよね?」
なぜかラーフェン王国だけでなくベルカイム王国のお土産まで渡すので不思議な顔をするフロラリー。
「色々とあったんだよ。それよりもそのお腹……」
「あ、もう見た目にも分かるようになったよね。そうなの、妊娠しているのよ」
初恋の相手であり、フロラリーがローランス司祭と幸せそうな様子を見て諦めていたつもりではあるが、胸が少し痛い。
『あらあら』
「フロ姉、それはおめでとう!」
少しはポーカーフェイスが出来るようになったつもりのジェロであるが、はたして。
「ありがとうね。この子にはお兄ちゃんもお姉ちゃんもたくさんいるから幸せになって貰えると思うわ」
「そうだね。いくらでも働き場所は増やせたよ。ぜひテルヴァルデにも足を運んでね。学校も整備していっているから、孤児達も遠慮なく勉強に参加してね」
「ありがとう。でも前にも言ったけれど、神殿や孤児院を贔屓ばかりしないようにね」
「ジェロ兄、フロ姉に会ったのね。幸せそうだったよね」
「そうだな」
エマニック、エムは孤児院の後輩であるが、フロラリーへの恋心を知られてしまっていた相手である。
「あ、私もテルヴァルデの役所で働くことになったからよろしくね」
「え?あ、あぁ、ありがとう。よろしくね」
「なんかつれないなぁ。ブリジョゼ、ジョリーヌの方が良かった?」
以前にヴィクシムとバスチャンと合コンをしていたヤンクイユ商会の職員女性達である。
「いや、引き抜いたことになってヤンクイユ商会の方に恨まれそうだから、元々の知り合いのエムだけの方が安心だよ」
「はいはい、仕方ないわね」




