ベルカイム南部の解放後3
顔を合わせると何かと面倒になりそうな王太子達には会わないようにして、彼らの処理もノルトマンに丸投げを決めこむジェロ。
そしてなるべく身軽になるため、リブルドーの街に向かう。
「テルガニ侯爵、この度も大活躍いただいたそうで。王国を代表して御礼申し上げます」
イニャス・プランケット、王国の魔術師団長でムスターデ帝国に占領される前から、ユニオール皇国と帝国の間で蝙蝠のように上手く立ちまわっていた男である。帝国支配においても上手く生き延びて、以前からの重鎮としてベルカイム王国内で重要な人物ではある。
『この人、苦手なんだよな』
『まぁ分かるけれどね』
「ヒルデリン王子と共にアンネ王女が、ラーフェン王国のルネリエル国王の戴冠式に無事に参加できたことも感謝いたします。これで名実ともにアンネ王女がこのベルカイム王国の後継者で、その配偶者としてのヒルデリン王子ということが各国にも認められるでしょう」
そう確定したとも思えないが、ジェロも適当な笑顔で返しておく。
「そして、王国南部の街を帝国支配から解放されたときもアンネ王女のお名前を掲げて頂いたとのこと、感謝に堪えません」
『幼いアンネ王女の後見人として権力を握れるから喜んでいるのかな』
『王女の年齢的に、他の候補者が居たのかもね』
「無事にアンネ王女とヒルデリン王子にリブルドーへお帰り頂くことができて幸いです。私達はここで」
「何をおっしゃいます!王都ルージャンまでご一緒ください」
「いえ、戻らなくてはなりませんので」
しばらく問答が続いたが、ジェロの不興を買いたくないのか、結果として王都への同行は免除される。しかし条件がつけられた。




