ワコローズの解放3
ベルカイム王国の使者との対応を行った後。再びワコローズの上空をドラゴンで飛びながらアンネ王女の声を届けていると、この街の司令官だったと思われるような人物が残る将兵を連れて街の外に出てきた感じである。
「我々が不在になりこの街が荒れることは忍びない。金庫等の鍵はこちらです。我らが行政を司っていた時の記録も、金品と合わせてしまっています」
よく考えたらローニャックの街の司令官は誰だったのであろうか?まさかあの王子達?という不安を感じながら、この司令官のような人物が帝国軍にもいたことをありがたく思う。
確かに南部のインラントの街を治めていたロイスナー兄弟もまともな人物であった。
聞いてしまえば事情に巻き込まれそうであるが、きっとこの司令官も帝国に滅ぼされた王国の王族だったりするのかもしれない。
「ジェロ様?」
「あ、あぁ。しかと受け取りました。その行動には感謝しかありません」
考え事をしていたジェロがリスチーヌに注意されて我に返り取り繕う。
「では、武器などを預かりますので、あちらに移動して待機してください」
「人道的な対処、かたじけない」
その後は、ローニャックのときと同様にアンネ王女とヒルデリン王子と共に門扉が無くなった城門の上に登り、住民への声掛けを行う。
「このワコローズの街の解放をもってベルカイム王国はムスターデ帝国から解放されました。これからは復興に向けて気持ちの切り替えを」
「現在、リブルドーの街から、今後に向けた営みを行う者達がやって来ます。それまで軽率な行動を取られないように」
リスチーヌも一緒になって注意事項を周知してくれる。




