ワコローズの解放
「ここでもアンネ王女のお言葉をお願いしますね」
リスチーヌ達による住民感情の調査結果は、ローニャックのときと同じような感じであった。ただ、ローニャックの街が解放されたことは狼煙で知っているようで、この街も早く解放されたいという声が強いようである。
夜の間に城門は焼き払っていたので、ここでも昼間にドラゴンの姿を見せながらアンネ王女の声を住民に届けていくのと合わせて、ジェロも低い声で脅しをかけていく。
「ローニャックの帝国兵は降伏したぞ。この街に残る帝国軍の将兵よ、最後まで抵抗するというならば、住民からの報復も含めて命の保障はできないぞ」
そして怪我人が出ないようには注意しながら、城門付近にドラゴンのブレスを吹きかけて念押しをしていく。
「このまま夜まで待てば良いですかね?帝国軍はどのくらい粘りますか」
「どうかな。もしかしたら意固地になってしまうかな。それでも、ローニャックから連れてくる帝国兵達の姿を見るとその気持ちも挫けてくれると楽なんだけど」
少し街から離れたところの上空で様子を見ているジェロとリスチーヌ達。
すると、城門から帝国軍の兵士達がとぼとぼと歩いて出てくるのが見える。
「よほど士気が下がっていたようですね。まぁ、帝国本土から分離されて孤立したこの街が最後ならば仕方ないですかね」
ドラゴンの姿を再び使い、所持する武器を地面に置かせて別の場所に集合させる。
「これで全部ではなさそうですが、この様子ではまだ投降して来ますよね」
「そうであって欲しいよね」
ここでも土壁を発動して帝国兵を取り囲みつつ、食事などは提供しておく。
そして、あくまでも安全を確保できる場所でヒルデリン王子達と野営を行う。




