ローニャック解放2
大歓声で迎えられた後は、代官館に高い場所がないので、門扉がなくなった城門の上、通路になっているところにヒルデリン王子とアンネ王女と共に登る。
そこから街の内側に集まっている住民に声をかけていく。
「ローニャックの街の皆さん、お待たせしました。ようやくムスターデ帝国から解放されることになりました。これから一緒にベルカイム王国の復興をお願いします」
ジェロがそれっぽいことだけを軽く言った後、アンネ王女に話して貰う。
「みんな、アンネです。これから頑張ろうね」
付き人のリュデット達が教えた言葉なので、年齢を踏まえてもこのくらいが適当なのであろう。
まだラーフェン王国の王族という扱いであるヒルデリン王子は手を振るだけになっている。
「皆さん、占拠している帝国軍が居なくなったと言っても犯罪行為を行う者にはそれ相応の処罰を行いますので、治安維持にご協力をお願いします」
低い声での注意喚起を風魔法で伝達させておく。
代官館で、今までこの街の運営にあたっていた者達だけでもしばらく対応するように念押しする。そのうちにリブルドーの街や王都ルージャンから追加の人材や指示が来ると思われるので、それまでは住民の慰撫に努めるように指示しておく。
『幼い王女と王子を従えた傀儡政権の見本みたいな感じね』
『冗談でもやめてくれよ。でも、このままベルカイム王国を解放しても、そうなりそうだな。ユニオール皇国一辺倒になられても困るし、コンヴィル王国、ラーフェン王国それぞれからバランスをとって面倒を見て貰えるとありがたいのだけど』
『このままワコローズの街も解放して、その成果を持って要求するのが一番楽だと思うけれど』
『そうするしかないか……』
「で、あの帝国兵達や元王子達はどうするのですか?」
「下手に置いていくと住民達の感情を刺激するだろうし、連れていくか。奴隷商を探して来て、移動に同行しながら戦争奴隷の処理をして貰えないかな。高めの報酬を払うから」
「探して来ますね」
こういうとき、魔人達では難しい業務へのリスチーヌ達の対応はありがたい。




