ローニャック解放
「嫌な予感がするから顔を見たくないよ……」
「ジェロ様、そんなことをおっしゃらずに、遠目に確認するだけでも」
リスチーヌやコンスタンに説得されて、怪しいからと捕まえた2人の顔をこっそり確認に行くジェロ。
「え?うん、オンハルト王太子とギャストル王子だと思う。でも、あんな大人しくする人達と思えないのだけど」
「まぁ色々とあったのでしょうね。流石にヒルデリン王子にも合わせない方が良いですよね?」
「そうだね。取り上げた魔法の袋に証拠となる服とかがあったんだよね。捕まえたままにしておいて。食事ぐらいはちゃんとあげてね」
ため息をつきながら、ドラゴンのジョエルと共にローニャックの街の上空に飛び立つジェロ。
「オンハルト、ギャストルの2人は逃げ出したところを捕まえている。他の帝国の者達も降伏すれば命の保障は行う。そのまま街中にいて住民から反撃を受けたいか?」
ラーフェン南部の街でも行なったように、街のあちこちの上空から、低い声で圧力をかけていく。
一部の住民が今までの鬱憤の気晴らしなのか、大きな声でそれに答えてくれると、士気の落ちた帝国兵達は街の外にぞろぞろと出てくる。
「うーん、処理をする人数もこちらにはいないんだよなぁ。仕方ない」
再びドラゴンを連れて移動して、いったんある場所に集まるように指示をして、その足元に武器を置かせた後は、さらに違う場所に移動させる。その場所の周りに土魔法で壁を作り、外から、つまり住民達からは見えないように囲う。
武器を拾うのとその土壁の警備はネベルソン達に任せておく。
「じゃあ、とりあえずローニャックの街に入ろうか」
ヒルデリン王子、アンネ王女を乗せた馬車と、ドラゴン、ワイバーンと一緒に城門跡から街中に進んでいく。




