ローニャックでの某王太子たち
「おい、聞こえていたか?」
「あぁ聞こえた。弟のヒルデリン達が来ているようだな」
ローニャックの街に居た、コンヴィル王国の元王子のギャストルとラーフェン王国の元王太子のオンハルトである。オンハルトは王太子の地位を失ったことを認識していない。
「このままでは帝国兵は持ち堪えられないだろうな」
「あぁ、ベルカイム王国南部で孤立してからだいぶ経つ。あいつらの士気も最低だからな。ここで帝国を後ろ盾にした国家を樹立する見込みも無くなったし、な」
「どうする?また逃げ出すか?」
「いや、どこに?北のワコローズに逃げるか?」
「あそこが先に陥落していないと思うか?」
「一応、あっちからの狼煙は来ていないからな。だが、狼煙を上げる奴もいなかった可能性もあるがな」
「そうだろう?王都ルージャンやリブルドーは北側だ。ワコローズの街から解放するのが普通だろう」
「これはどうだ?」
「まさか!」
オンハルトが取り出したのは一般住民の服装である。まだ魔法の収納袋を所持していたようで、その中にしまい込んでいたようだ。
「お前の分もあるぞ」
「いつの間に」
今の帝国軍の将校の服を脱いで武器も魔法の袋に収納し、一般住民の服装に着替えた2人。こっそり街中に紛れ込んでいく。
そして夜になるまで時間を潰した後、燃やされて何もない城門の跡からこっそり街の外に逃げ出していく。
「待て!こんな夜中に街から出てくるなんて怪しい。顔を見せろ」
念の為に悪魔達に城門を見張らせていたジェロ。悪魔アグリモンの連絡を受けて駆けつけたサグリバスに捕まった2人。




