ローニャック戦線
ラーフェン王国の中は、往路と同じように少しの騎兵に案内されて、ベルカイム王国の馬車とジェロの馬車、そしてジェロの家臣達の騎馬の近くをドラゴンとワイバーンが飛んで北上する。
各街の代官館での接待については、今から戦場に向かうことを言い訳に辞退するが、往路で最低の付き合いはしていたからか、特に問題にならず許された。
「さぁここからはベルカイム王国ですね」
「昔、変装したモーネ王女を連れての逃避行と同じルートだね」
「懐かしいお話ですね」
リスチーヌ達と呑気な会話をしているが、往路と違い復路では街を避けるどころか陥落させていくのである。
ベルカイム王国軍に援軍のユニオール皇国軍とコンヴィル王国軍が一緒になって解放できなかった2つの街である。簡単では無いはずである。
「南部は、あのベルカイム騎士団長と一緒になって、すぐに王国を裏切って帝国軍に無血開城したのですよね。その後ろめたさがあって、そう簡単にベルカイムに戻れないのでしょうね」
「そうなのかな。もしそうならば、住民を味方にするのもしんどいよね」
「では、私達が街中の様子を伺って来ますので、ジェロ様は普通に城門を焼き払ってくださいね」
「普通ってなんだろうか……」
リスチーヌが魔人ネベルソンを連れてこっそりと街中の酒場に忍び込むと言い、夜の間に≪飛翔≫で侵入して行った。
「じゃあ、クリノームとベルフールは王子達のお世話をお願いね」
「承知しました」
王子、王女、お付きの貴族令嬢達の護衛は女魔人2人に任せて、ジェロはコンスタンと魔人サグリバス、そしてドラゴンのジョエル、ワイバーンのルッツと共に夜空に飛び立つ。




