ベルカイム南部へ
精神をすり減らしたパレードも終わりようやく解放されると思っていたジェロ。
「テルガニ侯爵、どうぞこちらへ」
集められた部屋は大きな会議室であり、ラーフェン王国の騎士団や魔術師団の幹部、それ以外の貴族達も集められていた。
ジェロ以外にもパレードに参加していたルネリエル達が遅れて着席すると、騎士団長から発声される。
「以前より議論を進めて来た件、いよいよ実行に移りたいと思う。ラーフェン王国からムスターデ帝国軍を追い出した次は、ベルカイム王国の南部に居座る帝国軍を追い出すのだ」
『え?以前よりって?』
『ジェロがこの城にいない間に、ってことね。ルネリエルにはめられたのかな』
「彼の地に帝国軍が居座っていれば、我らラーフェン王国は南部の帝国領に対する警戒だけでなく北東部にも資源を割く必要がある。これを我らラーフェン王国が撃退することで、ベルカイム王国におけるヒルデリン王子の立場を確保することができる。また、ベルカイムへの支援を緩めた皇国に対する牽制にもなる」
「支援を続けているが帝国軍を攻めあぐねているコンヴィル王国に対しても優位性をアピールできるであろう」
「その通り」
『帝国本土との間に、ラーフェン王国があって分離された帝国軍は士気が下がっているはずだよね』
『まぁラーフェン王国南部で帝国と面していたところに比べればね』
「テルガニ侯爵、此度も活躍を期待しておりますぞ」
いつも成り上がり等と否定ばかりしてくる貴族達が、いい気なものである。
「私程度の力ではたいしたことはできませんが、皆様方が進軍される前の露払いぐらいにでもお役に立てましたら」




