ラーフェン北東部
「これで一息ですね」
ベルカイム王国南部で、ムスターデ帝国が支配するワコローズとローニャックの街を何とか避けてラーフェン王国北東部に到着した一行。
「そうだね。ここまで来ると王都ジークセンまではもう少し楽だね。帰り道のことは考えないようにしようか」
ここからは馬車を自由に使える上に街にも寄ることが出来るが、≪飛翔≫の集団は目立つだけでなく、ドラゴンとワイバーンが共に行動しているとなおさらである。
「もう今さらですが、どうされます?」
「ヒルデリン王子とアンネ王女がご一緒というのも分かってしまうし、変に隠れて行くよりは堂々と行った方が良いよね」
リスチーヌが先発隊として、最寄りの街の代官館に事情を伝えに行くと、護衛になるという騎兵を数人連れて戻ってくる。
そうなるとジェロの黒色馬車を引くのと他のメンバが騎乗するためにも、戦馬を購入することにした。
ベルカイム王国の白色馬車を白っぽい戦馬2頭が引くのと、ジェロの黒色馬車、そして家臣達の騎馬、護衛の騎兵が数人となり、それだけであれば少なめの貴族の集団である。ただ、ドラゴンとワイバーンが近くの上空を飛ぶことになるので目立つのは変わらない。
そしてラーフェン王国に入ってからは、街の代官館それぞれに都度立ち寄るのも王子と王女の仕事のようだが、共に幼いため侯爵であるジェロが一緒に行動するしかない。
『都度のパーティーは2人が幼いからと免除して貰えても、食事会だけは、というのが苦痛だね』
『それこそ侯爵様のお仕事だから頑張って』
『ヴァルは前みたいにドレスを着て参加しないの?』
『彼女達の仕事を取ったりしないわよ』
ジェロはラーフェン王国南部を解放した際のパーティーで、ヴァルが気品ある女性の振る舞いをしていたことを思い出して誘ってみるが、リスチーヌが張り切って、それに付き合わされているアルマティも健気であり、彼女達とそれらのイベントをこなすのであった。




