戴冠式への経路2
「リュデットでございます。ジークセンまでの道中、どうぞよろしくお願いします」
「ダニエマと申します。よろしくお願いします」
アンネ王女のお付きとして紹介された貴族令嬢らしい女性達。
「せめてベルカイム王国の王女に相応しい馬車を引くのですから、それなりの馬だけは連れて行かせてください」
早速、想定していなかった要望を言われてしまう。真っ白ではないが白っぽい戦馬2頭が白い馬車を引くということで、確かにこれならば隊列が少なくても王都ジークセンの街を通るときに格好がつくということなのであろう。
そうなると、馬をワイバーンかドラゴンが掴んで空を飛ぶことにするか。
どうするにしても、コンスタンとルッツをリブルドーに置いて行くと、選択肢が減ってしまう。
「これを南の城門付近にでも置いておかれますか?」
ジェロがリブルドーの守りになるように、ドラゴンの死体を1つ魔法の袋から取り出す。
胸に穴を開けてしまった物であるが、魔石もそのままのS級魔物のドラゴンの死体であるので価値は膨大である。
特に帝国に一度占領されて復興途中にあるベルカイム王国としては喉から手が出るほど欲しいものになる。
「置物ということですか?」
「帝国軍が再び北上してくる気配もないと思いますが、思いとどまらせるお守りにはなりませんか?」
「はい、十分なると思います。ただ、見えないところの素材は順次売却して行っても良いでしょうか?」
「差し上げた後は良いように扱ってください」
ジェロのことを孤児院出身と言っていたベルカイム王国の貴族達も現金なものである。




