ラーフェン王国からの使い
ジェロ達が領地であるテルヴァルデに帰り、開拓や行政整備に明け暮れていたある日、ラーフェン王国からの使いが到着する。
「テルガニ侯爵、ルネリエル様の戴冠の儀式への参列のご案内になります」
ムスターデ帝国軍を領土から追い出せたラーフェン王国は、早く国王を決める必要があった。
他国に行った王太子オンハルト、第2王子ヒルデリンを除くと、王弟ルネリエルか王女モーネが有力候補だったが、王国南部から帝国軍を追い払った実績や国家運営の手腕を考えるとルネリエルが妥当であろうとジェロも思っていた。
実際、ラーフェン王国を出てくる前に耳打ちもされていた。
ここまで案内に時間がかかったのは、関係各国に来賓の調整をするためであろう。
ユニオール皇国、コンヴィル王国、ルグミーヌ王国、そしてまだ南部がムスターデ帝国軍の支配下にあるベルカイム王国。
そのベルカイム王国には、第2王子ヒルデリンが居るため可能であれば戴冠式に連れて来たい。何とか一緒に王都ジークセンに来て貰えないか、というのがルネリエルからの招待と一緒に書かれていた依頼であった。
「ヒルデリン王子と一緒にいる魔人クリノームとベルフールに確認したら、まだリブルドーの街に滞在しているみたいだ」
「南部の帝国軍が手強いのですかね」
「南部は、ベルカイム騎士団と一緒になって帝国へ早々に裏切った者が多いから、素直にベルカイム王国に復帰するのも、というところなのでしょう」
「で、ヒルデリン王子を連れて、ということはリブルドーまで山脈を越えて飛んで合流し、一旦コンヴィル王国に戻ってからジークセンへ向かうという感じですかね」
「そうなるだろうね」
テルヴァルデから南、国境の山を越えるとレジスタンスの拠点でもあった廃村を経由して、ラーフェン王国のゲンベランに到着できるのだが、街道の整備はまだ途中である。
やはり暇を見つけて整備しておきたいところだが、他に高優先のものがあって悩ましい。




