移民の到着2
「ジェロ様、開拓も進められていたのですね。良かったです」
「いや、平らにしただけで上に建てる建物などは間に合っていないんだ」
「それは大丈夫ですよ。それよりも早めに住民に対する領主からのお言葉をお願いしますね」
とりあえずは、最初の開拓ブロックの南側ブロックに5,000人を順次入れていく。
「グンドルフ、あれは何をしているんだ?」
門のところでマドロール達が住民から提示された何かを確認している。
「あれは、住民証と呼ぶらしいですよ」
「え?」
「いや、流石はマドロール様。ミュンヒ地方からこちらに来るまでの間に、間諜達が紛れ込むことを回避するために、複数の知り合いがちゃんといることを確認しながらあの身分証を発行されたのです。間諜とは言わなくても、単に食い詰めた乞食が紛れ込んで食べ物を貰おうとするのも回避することにもなったようですが」
確かに冒険者証のような小さな木片を、大人も子供も首から下げている。
「ジェロ様、ディートマルさん達100騎以外に、移民が5,023人、無事に到着いたしました」
入口で住民証を確認終えたマドロールが報告に来る。
1km四方が整地されただけのブロックに荷馬車などを含めて住民が入り、次に何が起こるのかと恐る恐る待っている。
「ほら、ジェロ様、お言葉を」
ラーフェン王国の街の解放時に散々使用した風魔法による声の拡散で、住民に声をかけるジェロ。
「この土地の領主のジェロマン・テルガニである。ここまで無事に良く来てくれた。少なくとも飢えることはないように努力したい。ただ、それもみんなの努力次第でもある。周りを見てわかるようなブロックが、ここには住居用に8ブロック、農地用が3ブロックある。その農地も皆のものである。割り当てはこれから行うので、長旅の疲れをまずは癒して欲しい」
住民の反応も無いし、宣言として失敗だったかと思うが、マドロールが頷いているのでよしと思うことにする。




