移民の到着
ミュンヒ地方からの避難民、そしてその地方出身の戦争奴隷達が到着する前に新たな開拓に精を出すジェロ達。
大掛かりな土木工事なため、自分達以外は立ち入り禁止にしているのだが、元々開拓済みのブロックに出入りしている商人や冒険者達は興味津々である。
「ジェロ様、ちょっと目隠しをしておいた方が良いんじゃないですか?」
「そうだね。邪魔されることはないだろうけれど、気が散るね」
ブロックには外との境目に壁がありその外に堀を作るので、ブロックとブロックの間は、壁・堀・壁という構成になる。
『火事と喧嘩は江戸の華、なんて言葉がここではないように、大火が広がらない作りになるかな』
『火事はわかるけれど、喧嘩も困るわね』
『出稼ぎの人の集まりで、男ばかりだったって話もあるね。まずは土木工事だけれど、その後のことも色々と考えないとダメだね……』
せっかくの防御なのに、堀を通ると中心部にまで行かれるのも困るため、一番外側ではブロックの繋ぎ目にも壁と鉄の格子を用意する。
各ブロックの東西南北の中心に門を用意して、その門と門の間は堀を通る橋も用意する。
最初のブロックと同様に、その東西南北の門を繋ぐ太い道路、さらにそれで区切られた500m四方をさらに十字に区切る道路などの整備も行っていく。
「ジェロ様、ただいま到着いたしました」
マドロールやディートマル達が5,000人の避難民を連れて到着する。荷馬車などもあるため、ゲンベランから山越えで来たのではなく、ニースコンからモージャンを経由してガニーに向けられた街道経由で来たのである。
「これは!」
連れて来た移民達は、城壁のような壁を見て驚く。そちらから南側を見ると、東西に森ばかり続くはずなのに、その中に1kmほど続く石の壁が、間に池の部分を除いて3km分あるのである。
「俺たちは開拓地に来るのではなかったのか?」
「あれって牢獄なのだろうか。街なのだろうか」




