領地への帰国
「ま、期待はしていなかったけれど、残念だな」
ドタバタしていたので確認できていなかったナウエリスの街での買い出し状況について、アルマティに聞いた結果である。
やはりめぼしい魔導書もなかったらしいのと、ジェロの保有しない魔法カードもなかったらしい。消耗した薬草などの調達はできたが、戦後であるし買い占めはしない程度の購入に抑制したとのこと。
がっかりはしたものの気持ちを切り替えて、テルヴァルデに向けて≪飛翔≫で急ぐジェロ達。
モーネ達から王都ジークセンへの凱旋についても同行を求められたが、自身のことを好ましく思っていない貴族達、そして元パワハラ上司のドナシアンと離れたいこともあり、早々にナウエリスを出発して来た。
ちょうど夜に泊まる場所を探すときに近くの街になったルスハンに立ち寄り、宿をとりはしたが、そこでもめぼしいものは買えなかった。
「それでも宿で泊まれるのは、野営よりありがたいですよ」
アルマティの言葉に、彼女を引き取ってから戦争等が続いて野営が多いことを申し訳なく思う。それが顔に出ているのだろう。
「いえ、そういう意味ではありませんよ。あのままルグミーヌ王国で奴隷になっているかと思うと、こちらでの生活は非常に楽しいです。思いもよらぬ冒険になることも多いですが」
エルフの美人顔で笑われると、まだまだ女性慣れしていないジェロは焦ってしまう。
「私は席を外しましょうか?」
「サグリバス、そこまで変な気を配らなくて良いから。ネベルソンみたいになれなんて言わないけれど。ちゃんと3部屋取れているのだし」
「そうですか?」




