戦勝パーティー2
『ヴァル!?』
「念話でなくても良いわよ。実体化したのだから、普通に会話できないと周りも困るでしょう?」
「あ、あぁ。そうだな」
挙動不審になってしまうジェロ。ヴァルが等身大で、角や翼を消した姿をあらわれ、さらにはパーティーに参加するにもふさわしい首回りの空いたドレスを着ている。
さらに、ジェロの左腕に自身の腕を絡めてくる。
「行くわよ」
「あ、あぁ」
以前にも等身大のヴァルに見惚れたことはあったが、今回はなおさらである。
「テルガニ伯爵、いや侯爵でしたな。あの北方の領地、頼みましたぞ」
自身のことを成り上がりと嫌っている態度の貴族からも声がかかる。ジェロが遅れて参加する前に、領地のことの公表がされていたのであろう。
「冒険者に魔物狩りをさせる理屈には良いだろう、ははは」
すれ違った後で、まだ近くに自分が居ることを分かっているだろうに、わざと聞こえるように大声で話す貴族達。
「ま、良いんじゃない。下手に街付きの領地運営を任されるより」
念話ではなく小声で話してくるヴァル。
「そうだな」
少しは慣れても、まだ照れているジェロ。
「テルガニ侯爵、こちらの方は?こんな美しい方がいらっしゃるからモーネも?」
礼儀としてルネリエル王弟のところに挨拶に行った時に揶揄われる。
「彼女はヴァルと申します。以前からの仲間でして。あまり人前には出る機会がなかったので」
ジェロが適当に返す横で、優雅なカーテシーによる挨拶をルネリエルに行うヴァル。
「どこでそんなことを……」
「これぐらいならね」
その後の立食でも美人の優雅な振る舞いなど、ヴァルの行動は多くの参加者の噂に上るほどであった。




