論功行賞2
「モーネを妻に迎えて貰えないでしょうか」
ルネリエル王弟から真面目な顔で申し出をされる。過去にも同様の話があった時には軽く受け流せたが、今回はそうはいかないようである。
「お申し出はありがたいお話ですが、私はもともと孤児院の出身。復興できた王家の方とは釣り合いません」
「その復興の立役者であるテルガニ様であれば」
「いえ、他国の王家、もしくは有力な国内貴族の方と、が普通かと」
「モーネに魅力はございませんか?」
初めて出会ったときの、虚勢を張っての偉そうな言葉遣い、段々と本音が出て来てからのモーネ。ベルカイム王国へ脱出する際の不細工への化粧。色々と思い出される。
「女性としても素晴らしい方とは認識しております」
「では」
「いえ、申し訳ありませんが」
少し俯いたモーネ本人を前にしてのルネリエルとのやりとりはここで終わる。
「はぁ。分かりました。では、領地の話に移りましょう。ご存じのとおり、基本的には王国全土が解放されるまで各街は代官制度で運営しておりました。これからは見直したいと考えております。解放にご尽力頂きましたこのラーフェン南方の街を治めて頂けないでしょうか。もちろん、ムスターデ帝国に対する最前線ですので、その防衛に期待しているところも正直に申し上げます」
「え!いえ、とんでもないです。今は無人の領地に対して開拓をするのでも一杯一杯ですのに、こんな人口のあるところを治めるなんて」
「補佐できる者はしっかりと人選します」
「いえ、無理です」
「それではインラントの街を一つだけでも」
「それでも無理です」




