論功行賞
「テルガニ伯爵、この度の功績に対し侯爵へ陞爵とする」
ナウエリスの街において、ルネリエル王弟の軍勢とモーネ王女の軍勢が合流し、それぞれの働きざまの確認が行われた後に論功行賞となった。
「また、テルガニ侯爵には領地を追加する。詳細は別途指示する」
ある意味で外様であるジェロへの領地追加に対して、ムスターデ帝国から占領される前からの貴族がざわつく。
『あらあら、面倒なことになりそうね』
『困ったな。あとで個別にということは、そこで上手く断れないかな』
ジェロ以外にも、特にインラントの街での働きが認められた魔術師団副団長のハンネマン・レーハーゲル伯爵等の名前があげられていた。
論功行賞が一通り終わった後、別室に移動となったジェロ。その場にはルネリエル王弟とモーネ王女のみであり、ジェロとの3人だけの場がセットされていた。
「事務の方すらもいらっしゃらないのですか」
「はい、この場は率直なお話をさせて頂くために」
ルネリエルの言葉が怖い。
「あらためて、ラーフェン王国からムスターデ帝国を追い出せたこと、その前には我ら王族を助けてくださったこと、誠にありがとうございました」
ルネリエルの言葉に合わせて二人が頭を下げてくる。
「そんな!どうか頭をお上げください。王族のお二人がそんな」
「その王族という立場すら、テルガニ様のお力がなければ。ミュンヒやロイスナーのようになったことでしょう」
「ミュンヒは、時間が経ち過ぎていたようで残念です」
ジェロの言葉は軽く流され、
「本題です」
と、ルネリエルが姿勢をあらためる。




