ナウエリスの解放3
「流石はテルガニ伯爵。もうナウエリスの街を解放してくださったのですか」
「私1人の力ではありませんので」
「ははは、そういうことにもしてくださったのですね。本当に流石です。ありがとうございます」
ルネリエルに対して少人数で面会しているため、王弟も取り繕ったりはしない。
「では、こちらの軍勢もナウエリスに移動することにしましょう。帝国軍の捕虜達もいますので、行軍は遅くなりますが、街を慰撫するにはちょうどの時間感覚でしょう」
「は、その旨をモーネ王女にお伝えしておきます」
「ではもう一つ伝言をお願いします。こちらをお渡しください」
ルネリエルから預かった手紙を、ナウエリスの代官館でモーネに渡すジェロ。
「この距離を短時間で移動できるのは羨ましいですね。はい、叔父上からの手紙ですか」
封を開けて読み終わるとジェロにも中身を教えてくれる。
「流石は叔父上ですね。大きな戦闘をすることなく帝国兵を捕虜にしたので、捕虜の数が膨大になっています。彼らを捉えたままにしていると食費だけでも大変なので、2つ指示がありました。一つはインラントの街でも近くに砦を作らせたように、ここナウエリスでも砦を作る労役につかせるように、とのことでした」
「なるほど。確かにそれは良いですね」
「もう一つは。テルガニ伯爵に差し上げろ」
「いえいえ、そんな」
「と断られるだろうから、ムスターデ帝国に早々に捕虜引き渡しの相談のための使者を送るように、とのことです」
「はぁ」
「久しぶりにテルガニ伯爵が焦る姿を拝見できましたわ」
揶揄われたことを認識したジェロは苦笑いしかないが、モーネのひさしぶりの笑顔も良いものである。
『やるわね、この子も』
『これは策略ではないよな?』
『自然体じゃない?でも、それができるってことが凄いわよね』




