ナウエリスでの合流準備3
ナウエリスの街の城門の門扉は先日に燃やしたのだが、木材らしき材料で補修しているようであった。
「仕方ないから、もう一度燃やしてしまおう」
再び門扉を燃やしてまわった後に、ナウエリスの街の上空を飛んでいるジェロ達。低い声を風魔法で広げて、帝国軍の不安を煽る。
「ムスターデ帝国から来ていた3万の軍勢は追い払った。城門の門扉が燃えたのも見たであろう。ナウエリスを占拠する帝国の将兵よ、早く降伏するが良い」
それなりに大きい街であり、風魔法で拡散するにしてもしばらく飛び続けて繰り返し発言する必要がある。
「じゃあ、ハポリエル、ここでもお願いね」
悪魔ハポリエルに、帝国軍の司令官達を探して貰い、夜にさらうつもりである。
「ジェロ様、それではこちらの貴族達の手柄にならないのではないですか?」
「流石リスチーヌ、そうなんだよね。でも手っ取り早くこの街も解放したいし」
「ですよね。では、彼らにも活躍して貰うために、もっと街に近づいて貰いましょう」
「あ、威圧の協力をして貰うのか」
「はい、それに街を解放した後の住民の慰撫もお願いしてしまいましょう」
「よし、その方向で行こう」
街を取り囲むモーネ王女達の陣営に戻り、先ほどの話を上申する。
「我々は所詮数人しかいない小部隊。皆様の部隊で街を取り囲み、威圧することにご協力頂けないでしょうか」
「は、やはりそうなるのか。皆様、仕方ないですよね。もう少し街に近づくことにしましょう」
ジェロを馬鹿にしている元パワハラ上司であるドナシアンは、裏があるとは思いもせず、貴族達への進言に協力してくれる。
「レジスタンスを率いていたドナシアン殿の発言ならば」
面倒ではあるが、結果オーライであると割り切るジェロ。
『馬鹿とハサミは使いようって言葉、そちらの世界にもあるのかしら』
『もちろんあるさ。どこの世界でも同じなんだな』
『ふふふ、そういうものなのね』




