再びエアライツ攻略へ
「ジェロ様、もうかなりの積荷を奪ったのではないかと」
「そうだね。帝国に戻れるぐらいの食糧を残しておかないと、ラーフェン王国内で略奪されても困るしね」
再びムスターデ帝国の増援軍の北側に、ジェロ達それぞれが強力な魔法攻撃を行ない巨大な炎の壁などを見せつけた上で、
「これ以上の進軍をすると言うのならば命の保証は無いぞ」
という、わざとかなり低い声を風魔法で広めて脅しをかけておく。
帝国軍の兵士達の士気は、他国に攻め込むほどには維持できなくなったと思われるので、ジェロ達もナウエリスの街の包囲軍のもとに戻る。
「見張りを送られておいたら良いと思いますが、おそらく帝国に逃げ戻るものかと」
「最後まで確認していかないのか?」
「私はもともとルネリエル王弟殿下の方の与力。エアライツの街の奪還の一端としてビーレア攻撃などを行なったついでで、こちらにも手出しをしてしまいました。モーネ王女殿下の皆様の手柄を奪うつもりはございませんので、この辺りで失礼させていただきます」
余計な口出しをしてくる貴族にも適当に言葉を返しておく。
「テルガニ伯爵……」
「では、モーネ王女殿下、失礼致します」
モーネが何か言いかけるが、ここに残りすぎると元上司のドナシアンからパワハラ発言が出てくる可能性もあるし、早々に退散する。
「ふぅ」
「ジェロ様、お疲れ様でした。でも実際にビーレアやエアライツの方はどうなっていますかね」
「この前、荷馬車の積荷を置く許可をとりに行ったときには、それほど進展はない感じだったけれど……」
そのジェロの言葉の通り、ビーレアの街は燃え落とされた東西南北の4門に、簡易の大きな板を立てかけている程度で、街のまわりにも軍勢は見えない。
エアライツのまわりでは、西側だけにいた帝国軍が東側にも分散して配置されるようになった程度であった。




